再春館 Sol 熊本 に所属するひぐち選手が2025年3月末をもちまして選手契約を終了すると発表された。
ひぐち選手といえば生粋のガイル使いで、前作ストリートファイター5から現在のストリートファイター6に至るまで、日本を代表する唯一無二のガイル使いにまで成長。
当チームに加入して3シーズン、毎年おこなわれるストリートファイタープロリーグ 通称SFL:Pro-JPでも常にエースプレイヤーとしてチームを引っ張っていった。
私もSFプロリーグは毎回見ているが、ひぐち選手の試合は常に安定していて、本当に安心する選手だと感じている。
「ひぐちという男」—成長の軌跡
ひぐち選手——彼がプロの舞台でてきたとき、彼は間違いなく優れたプレイヤーだった。ただ、その当時の彼は、まだ「若き挑戦者」に過ぎなかった。
しかし、私が本当に感心したのは、彼の努力する姿勢と勝利への執念だった。ストリートファイターの世界では、単なる反射神経や技の精度だけでは勝てない。戦略の組み立て、心理戦、そして自分を高め続ける意思が必要だ。その点で、ひぐちはまさに「学び続ける天才」だった。
忍ismの育成企画に参加した当初、彼はまだ14歳の少年だった。だが、その当時から彼は、先輩たちのプレイを観察し、質問し、研究し、そして自分のプレイに反映させるスピードが異常に速かった。彼の目つきはいつも鋭く、「なぜ負けたのか」「どうすれば勝てるのか」を考え、実践していたであろう。
成長の転機は、おそらくストリートファイターVでの活躍だろう。彼は単なる「若手の有望株」ではなく、結果を出せるプレイヤーになった。2021年のCAPCOM Pro Tour 日本大会2での優勝は、それを証明する大きな一歩だった。
だが、真の試練は『ストリートファイター6』への移行だった。ここで多くのプレイヤーが「環境の変化」に適応できずに沈む。しかし、ひぐちは違った。彼は常に「最適解」を探し、鍛錬を怠らなかった。EVO2023では17位という結果に終わったが、それでも彼の研究心と成長速度を考えれば、彼が再びトップへ返り咲くのは時間の問題だろう。
ひぐち選手はまさに「才能より努力」を体現した選手だということだ。最初から天才だったわけではない。だが、努力する天才だった。そして、それこそがプロの世界で長く生き残る秘訣なのだ。
再春館から卒業し、新たな道へ進む彼の成長と活躍を心から楽しみにしている。
ひぐち選手の主な功績
ひぐち選手は、2016年に14歳で「忍ism若手選手育成企画」の第一期生として忍ismに加入し、2018年3月からは忍ism Gaming所属のプロ選手として活動していました。
2022年5月15日、ひぐち選手は忍ism Gamingを卒業し、新たにSaishunkan Sol 熊本に加入。単に強い選手というだけでなく、チームの柱としての役割も担うようになります。
『ストリートファイターV』での主な実績:
- 2020年:
- SFL: Pro-JP 2020プレシーズン大会 オープン予選 U-22部門 優勝
- SFL: Pro-JP 2020プレシーズン大会 ファイナルトーナメント 優勝
- 2021年:
- Japan University eSPORTS Championship 優勝
- Intel World Open 2021 Street Fighter Open Qualifier #3 Japan 優勝
- CAPCOM Pro Tour 2021 日本大会2 優勝
『ストリートファイター6』での主な実績:
- 2023年:
- EVO2023 17位
- CAPCOM Pro Tour 2023 World Warrior Japan #4 7位
- ストリートファイター6 Pro-リーグ JP 2023 チーム3位
- 2024年:
- 第1回 TOKYO METRO CUP STREET FIGHTER 6 一般部門 優勝
- サウジアラビア Esports World Cup 5位
- CAPCOM Pro Tour 2024 第2回 World Warrior Japan 1位
- CAPCOM Pro Tour 2024 第4回 World Warrior Japan 2位
- ストリートファイター6 Pro-リーグ JP 2024 チーム3位
ひぐち選手は『ストリートファイターV』から『ストリートファイター6』への移行後も、国内外の大会で安定した成績を収めており、その実力を発揮し続けている。

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